展覧会

開館記念展vol.2 「神々の黄昏」

―東西のヴィーナス出会う世紀末、心の風景(けしき)、西東

 ウィーン世紀末の黄金の装飾画家グスタフ・クリムトの最高傑作《ヌーダ・ヴェリタス(真実の裸身)》。手鏡を差し出し観客を見つめ返す女神、挑発するヴィーナスの姿は、官能的で神秘的だ。
 開館記念展 vol.2「神々の黄昏」では、クリムトの女神が、宇佐の天福寺に残る奈良~平安時代の木彫仏像、大分のヴィーナスと、時空を超えた空前絶後の出会いを果たす。
 大分県北東部、宇佐・国東は、神秘の宝庫。古代宇佐神宮にはじまる八幡信仰、神仏習合の六郷満山の仏教文化を育んだ。大分の文化が、古来の祈りと「見えないものへの憧れ」を新しいヴィーナスに変え、現代の私たちへと甦らせる。
 東西世紀末の女神を描いたアール・ヌーヴォー(モダンスタイル)絵画、大分の神々や祭りの土俗的造形、さらには現代美術に表明された「神秘思想」など、時空やジャンルを超越し、「大分の美、ヴィーナスへの憧れ」をドラマティックに演出する、全く新しいタイプの展覧会。

◯チケット販売場所
大分県立美術館、iichiko総合文化センター1Fインフォメーション、トキハ会館、中央町プレイガイド、ヱトウ南海堂、
大分市府内五番街商店街振興組合、大分フォーラス1F ACID GALLERY、JR九州みどりの窓口、ローソンチケット(L88618)、チケットぴあ(P767-087)

開催趣旨

 大分県の北東部に位置する宇佐・国東地域は、古代の宇佐神宮に発祥した八幡信仰や神仏習合のもと発展した六郷満山の山岳仏教文化を育んだ土地です。
大分県立美術館では、開館記念展の第二弾として、日本の精神文化の一つの源泉ともいえる宇佐・国東地域に伝わる美術を紹介するとともに、古今東西に多様に存在する“聖なるもの”のイメージをあらわす美術を、時代・地域・分野を越える幅広い視野のもとに厳選し、再構成することを試みます。
 特に、この度九州初公開として出品されるウィーン美術史美術館付属オーストリア演劇博物館が所蔵するグスタフ・クリムト《ヌーダ・ヴェリタス(真実の裸身)》は、本展の女神として古今、そして東⻄をそれぞれつなぎ合わせます。
海を隔てた遙か彼方から舞い降りたクリムトの女神と、宇佐八幡をはじめとした東洋の神々にまつわる美術の神秘的な出会いを祝福するとともに、“聖なるもの”へ捧げられたまなざしを多角的に紹介いたします。
 本展における異文化の出会いは、相互の文化の基層となる精神性への理解を促し、各々の芸術の真価を問うための開かれた視界を体感させてくれるものです。
 大分の地霊=ゲニウス・ロキに捧げるモニュメンタルな宇宙のひろがりは、過去、現在、未来の私たちの心の風景を映し出すものとなるでしょう。

Ⅰ章 見えざるものへのまなざし

古来人類は、祈りの文化のなかで、目に見えない神や精霊の姿を心に映してきました。現代美術に表明された神秘思想や祈りの世界に通じる瞑想的絵画に“聖なるもの”へのまなざしを見出します。

Ⅱ章 物語を紡ぎ、再び生み出すこと宇佐

宇佐・国東地域は、古代の宇佐神宮に始まる八幡信仰や、六郷満山の仏教文化を育みました。
祭祀・儀礼のための考古・⺠俗資料から、宇佐神宮の宝物まで、古来の祈りの美を現代へ甦らせます。

Ⅲ章 女神たちの黄昏

クリムトの女神像《ヌーダ・ヴェリタス》が、宇佐の天福寺に残る木彫仏像と時空を超えた出会いを果たします。
古今東西のヴィーナスが映し出す「見えないものへの憧れ」を見渡し、大分と世界を新たなまなざしで見つめます。

主催:大分県立美術館開館記念展vol.2「神々の黄昏」実行委員会、大分県立美術館、公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団
共催:大分合同新聞社
後援:オーストリア大使館、大分県、大分県教育委員会、大分県芸術文化振興会議、JR九州大分支社、朝日新聞社、西日本新聞社、NHK大分放送局、OBS大分放送、TOSテレビ大分、OAB大分朝日放送、エフエム大分、OCT大分ケーブルテレコム
特別協賛:全日本空輸株式会社、三和酒類株式会社、ワタナベメディカルグループ、公益財団法人戸髙育英会
助成:平成27年度 文化庁 文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
特別協力:オーストリア演劇博物館
企画協力:宇佐神宮、大分県立歴史博物館

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