当館の利岡コレクション*にも作品がある小川信治さんが創りだす世界は、まるで写真のように描く超絶技巧。今回は大分県立美術館のために制作した新作「ダミアンのロンド」を中心に、その制作に迫ります。小川さんの創りだす世界、たっぷりとお楽しみください。
講師:小川信治(美術家)
「世界とは何か」をテーマに、見慣れた風景や名画などを改変して時間や空間の構造を考察し、世界の可能性を提示する作品を制作している。ダ・ヴィンチやフェルメールなどの名画から中心となる人物を消し去り、空白を想像力で補うWithout Youシリーズ、画面の中の有名な建築や人物を二重化して描くPerfect Worldシリーズ、モン・サン・ミッシェルのシルエットの中に様々な建築パーツを組み込み、架空の風景を描いてゆく「モアレの風景」など。主な展覧会は「小川信治展―干渉する世界」(2006年 国立国際美術館、大阪)、「Shinji Ogawa – Realizm perwersyjny」(2008年 Bunkier Sztuki、ポーランド、クラクフ)、「小川信治展 あなた以外の世界のすべて」(2016年 千葉市美術館)など。
「ボウゾフーエアフルト」 |
* 利岡コレクション:利岡誠夫氏の収集した近現代美術のコレクション約400点からなり、2013年に寄贈されました。その一部は2F情報コーナーに展示しています。