《雨》(東京国立近代美術館蔵)など代表作が集結
モダン、カラフル、チャーミング。
自然を見つめ、鮮やかに切り取る日本画家。待望の回顧展
大分市に生まれた福田平八郎(1892 –1974)は、18歳のとき京都に出て絵を学びました。自然を隅から隅まで観察した写実的な作品で評価を得たのち、昭和7年(1932)に《漣》(重要文化財、大阪中之島美術館蔵)を発表し、その大胆な挑戦で人々を驚倒させました。その後も《竹》(京都国立近代美術館蔵)や《雨》(東京国立近代美術館蔵)など、色や形、視点や構成に趣向を凝らした作品を制作し「写実に基づく装飾画」という新しい時代の芸術を確立しました。
没後50年の節目に開催する本展は、初期から晩年までの優品約100件を一堂に展示し、その魅力に迫ります。また「写生狂」を自称した画家の瑞々しい感動やユニークな目線を伝えるスケッチ類もあわせて紹介し、名作誕生の背景を探ります。
見るものに今も新鮮な驚きを与え、自然美への共感を誘う平八郎の清新な世界にどうぞご期待ください。
作品の展示期間等は以下の出品目録からご確認いただけます。
大分県立美術館以外でも下記店舗でも販売しております。
・初期から晩年まで、画業を一望する100件以上を一堂に展示 ・重要文化財《漣》をはじめ《鯉》(皇居三の丸尚蔵館)、《花菖蒲》(京都国立近代美術館蔵)、 《雨》(東京国立近代美術館蔵)など代表作が集結 ・画家の瑞々しい感動を伝える写生帖や素描も多数紹介 |
福田平八郎 1892年ー1974年 福田平八郎は、明治25年(1892)2月28日、大分市に父・馬太郎、母・アン(安)の長男として生まれました。18歳のとき、苦手の数学で旧制大分中学校3年の留年が決まったことから画家の道を志し京都へ出ました。 京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で学びながら文展に出品をつづけていた平八郎ですが、転機を迎えたのは卒業後の大正10年(1921)、第3回帝展に出品した《鯉》が特選をえた上に宮内省買い上げとなり、若くして京都画壇の寵児となりました。このとき「画家として一人前になってから」と保留にされていた谷口テイとの結婚を許されたため、鯉を描いて恋を得たと話題になったそうです。そして昭和7年(1932)には第13回帝展に《漣》を出品します。当時はそのあまりの斬新さに賛否両論が巻き起こり、浴衣の模様のようだといった批判も起こりましたが、後に平八郎の画風の特徴を示す代表作とされ、平成28年(2016)には重要文化財に指定されています。 戦後も新しい表現に挑戦し活躍をつづけるなか、昭和36年に文化勲章を受章し、大分市の第1号名誉市民にもなりました。この年を最後に官展への出品を止め、以後は画廊や百貨店の主催する小展覧会に自由な作品を発表するようになりました。 昭和49年3月8日に国立京都病院に入院、同月22日に気管支肺炎のため82歳でこの世を去りました。そのお墓は、京都鹿ヶ谷・法然院と大分市・西応寺にあります。 |
第1章 手探りの時代 福田平八郎は、18歳のとき画家を志し京都に出て、京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で絵を学びました。この時期の作品は、習画期ということもあり、作風に統一感がなく特徴をつかみにくいところがありますが、伝統的な日本画や同時代の新しい傾向の作品にも興味を示し、自らの進むべき道を模索していたあとがうかがえます。 《池辺の家鴨》 1916年 大分市美術館蔵 【後期展示】 |
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《雨後》 1915年 京都市立芸術大学資料館 【後期展示】 |
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第2章 写実の探究 京都市立絵画専門学校の卒業制作に悩んだ平八郎は、美学の教授・中井宗太郎に相談し、対象と客観的に向きあうことを決意します。こうして大正後半から昭和のはじめにかけての平八郎は、対象を細部まで観察し、徹底した写実表現を試みた作品を発表していきました。 《双鶴》 1923年 京都国立近代美術館蔵 【後期展示】 |
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《閑庭待春》 1925年 京都市美術館 【前期展示】 |
第3章 鮮やかな転換 平八郎は、昭和のはじめころから、形態を単純化し、鮮烈な色彩と大胆な画面構成を特徴とする独自の装飾的表現へと向かいます。そして、昭和7年(1932)の第13回帝展に《漣》を発表し、日本画の新たな表現の可能性を画壇に問いかけました。 《漣》 1932年 重要文化財 大阪中之島美術館蔵 【6/28-7/15展示】 |
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《竹》 1942年 京都国立近代美術館 【後期展示】 |
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《青柿》1938年 京都市美術館蔵 【前期展示】 |
第二次世界大戦後の美術界では、伝統的な日本画への批判が高まりましたが、平八郎は確固とした信念で日本画の表現の可能性を模索しました。こうして、徹底した自然観照によりながら、対象がもつ造形の妙を見事に抽出し、写実と装飾が高い次元で融合した傑出した作品がいくつも誕生しました。 |
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《雲》 1950年 大分県立美術館 【通期展示】 |
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《雨》 1953年 東京国立近代美術館蔵 【前期展示】 |
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《鯉》 1954年 公益財団法人平木浮世絵財団【後期展示】 |
第5章 自由で豊かな美の世界へ 平八郎は、昭和36年(1961)を最後に日展への出品を止め、以後は、小規模な展覧会に心のおもむくままに制作した小品を発表します。作風は晩年になるにつれ、形態の単純化が進み、線も形も色彩も細部にとらわれない大らかな造形へと展開します。 福田平八郎《花の習作》1961年 京都国立近代美術館 【前期展示】 |
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《鸚哥》 1964年 名都美術館 【後期展示】 |
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《鴛鴦》1965年頃 愛媛県立美術館蔵(武智光春コレクション)【後期展示】 |
水ようかんパフェ 800円(税込)
コーヒーセット 1,100円(税込)/紅茶セット 1,300円(税込)
今回の展示に合わせ、生涯にわたり水の表現を探求した福田平八郎の作品にインスピレーションを受けたスイーツです。
美しく爽やかなゼリーと水ようかんを濃厚なプレミアムソフトクリームクレミアが包み込む、和を感じるパフェとなっております。
忍ばせた甘納豆も味のポイントです。この機会にぜひお召し上がりください。
※5月18日(土)より2階カフェシャリテにて提供を予定しております。
没後50年の節目に開催する本展は、初期から晩年までの優品約100件を一堂に展示し、その魅力に迫ります。
そんな本展覧会の公式図録を1階ミュージアムショップで販売いたします。
ご鑑賞後もぜひお楽しみ下さい。
※後期より通信販売を停止させていただいております。
諸事情により、ご対応が大変困難な状況であることから、やむを得ず停止とさせていただきます。お客様には大変ご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
展覧会後期はミュージアムショップ店頭での販売のみとさせていただきます。また、オンラインストア「まいにち書房」様でもお買い求めいただけます。詳細は下記よりご確認下さい。
※ただいま予約受付を休止しております。詳細は下記よりご確認下さい。
ショップでは現金書留による図録・関連書籍の通信販売も行っています。
手数料・送料は別途お客様ご負担になります。詳しくは下記ショップまでお問合せください。
※つながりにくい場合は、当館までご連絡下さい。
※後期より、諸事情のため通信販売を停止させて頂いております。オンラインストア「まいにち書房」様でもお買い求めいただけます。詳細は下記よりご確認下さい。
※ただいま予約受付を休止しております。詳細は下記よりご確認下さい。
ミュージアムショップ「PortoPorta(ポルトポルタ)」
Tel:080-2742-9602
E-mail:portoporta@renkei-oita.co.jp
「没後50年 福田平八郎」関連イベント 講演会「半世紀前に山下少年が観た絵-福田平八郎のグラフィックなセンスについて」※定員に達したため申込を締め切りました。
「没後50年 福田平八郎」関連イベント スライド・トーク「「写生狂」福田平八郎の画業」※定員に達したため申込を締め切りました。
「没後50年 福田平八郎」関連イベント インスタグラム フォトイベント「平八郎フォトグラフ」