〈白〉と〈黒〉はあらゆる芸術を生み出す原点といえます。赤や黄などの有彩色に対して、無彩色と呼ばれ、それ自体が彩りを放つことはありませんが、モティーフの陰影や質感を際立たせ、作品に豊かな表情をもたらすなど、さまざまな可能性を秘めています。
素描や水墨画、版画などでは、〈白〉と〈黒〉は素材や技法に由来し、シンプルな要素よって構成される作品は、観る者を静かで繊細な美の世界へと誘います。さらに〈白〉と〈黒〉は、「昼」と「夜」、「光」と「闇」、「洗練」「畏怖」「神秘」など、高い象徴性を備え、写真やコンセプチュアルアート(概念芸術)などの現代美術においても重要な役割を担ってきました。
今回のコレクション展では、水墨画、油彩画、書、版画、現代美術など幅広いジャンルから、〈白〉や〈黒〉を基調にした作品を紹介します。限定された色が織りなす、ヴァリエーション豊かな美の魅力に触れていただければ幸いです。
大分県内の小学・中学・高校生(これらに準ずる者を含む)とその引率者が教育課程に基づく教育活動として観覧する場合は事前にお申し込みが必要となります。以下の様式でお申し込みください。