東京港区・白金台にある畠山記念館は、実業家畠山一清のコレクションを公開する私立美術館です。創設者の畠山一清は、即翁と号して能楽と茶の湯を嗜み、美術品の蒐集に努めました。所蔵品は茶道具を中心とする古美術品で、国宝6件、重要文化財33件を含む約1300件に及びます。本展は九州の地で初めて、畠山記念館の所蔵品から国宝・重文を含む、約70件を厳選し、一堂にご紹介します。
破格の造形美!即翁が愛蔵した茶道具!
桃山時代(16世紀後半)に伊賀(現・三重県伊賀市)で焼かれた茶陶。大名茶人・古田織部(ふるた・おりべ)の指導で、破格の造形美による茶陶が生み出された。本作は、焼成時に口が割れ、その破片が頸(くび)や肩に付着し、それが鋭いトゲのようであることから、トゲを持つ花の“からたち”にちなんで銘が付けられた。
即翁(そくおう)の地元・金沢の諸家に伝わってきた茶道具として即翁が特に愛蔵した花入である。
変化に富んだみごとな筆致!書の国宝!
藤原佐理(ふじわら・すけまさ)は、小野道風、藤原行成とともに「三蹟(さんせき)」と呼ばれる平安時代の能書家、公卿。本作は、佐理が太宰府の次官に任ぜられて九州に下向する途中、長門国赤間関(現・下関市)で、摂政の藤原道隆に赴任の挨拶を怠ったため、その詫びの取りなしを縁者に宛てて依頼した詫び状。佐理の筆力の強さ、歯切れのよい筆致が遺憾なく発揮されている。
「洛」とは京のことで、京から九州に赴任するため「洛を離れる=離洛」という語が最初にあることから「離洛帖(りらくじょう)」と呼ばれる。
織田信長が所持した井戸茶碗!大ぶりの名碗!
日本の茶の湯の「わび」「さび」の美意識に適うものとして、朝鮮半島で焼かれた日常雑器が取り入れられた。井戸茶碗(いどちゃわん)はその代表的な朝鮮産の茶碗。織田信長が所持したことからこの銘が付けられている。
大ぶりで見込みが深く、枇杷(びわ)色の釉調や、高台周りの梅花皮(かいらぎ)と呼ばれる白い釉薬のちぢれた景色など、井戸茶碗の見どころを備えている。
また、この茶碗は即翁から、酒井億尋(荏原製作所二代目社長)の還暦を祝って、億尋とその妻である即翁の長女・睦に贈られたもので、後に畠山記念館に寄贈された。
豊臣秀吉ゆかり、数奇な運命をたどった利休の茶杓!
千利休が作った茶杓(ちゃしゃく)。筒書によると、豊臣秀吉がこの茶杓を愛するがあまり、櫂先(かいさき:茶杓の先端の部分)を直させたが、失敗したため捨てようとしたところ、徳雲軒なる医者が拝領し、打曇という銘の付いた茶入とともに手元に置くことになったことから「落曇(おちぐもり)」という銘が付いたという。
秀吉のお気に入りの茶杓でありながら、数奇な運命をたどった茶杓である。
力強い作ぶり!伸びやかな絵付け!屈指の水指!
志野焼は、美濃(現・岐阜県)にて桃山時代に焼かれた白い釉薬を施した焼きもの。本作は、水墨画を思わせる伸びやかな芦(あし)の絵に、よく溶けた長石釉(ちょうせきゆう)の白い色調、また釉薬のかかりの少ない最上部の口縁(こうえん)などには、火色と呼ばれる赤みが生じ、見事な調和を見せている。力強い大胆な造形が見どころ。描かれた様子が、冬枯れの岸辺を思わせることから「古岸」という銘が付けられたのであろう。
即翁が深い影響を受けた茶人に益田鈍翁がおり、本作はその弟・益田克徳が愛蔵した名品であったが、即翁へと伝わった。
コバルトブルーの美しさ!中国陶磁の粋美!
白地をいかし、コバルトの青と陰刻により、逆巻く波濤の中を天に向かって白龍が飛んでいく様子を見事に表現している。天球瓶(てんきゅうへい)とは豊かに膨らみを見せる胴にすらりと首が伸びる瓶のことで、天体(天球)の様子を表したものに似ていることからこの名が付いたといわれている。
晩年の即翁は、記念館開設を決意した後、より幅広い世代にも興味をもって集まってもらえるようにと考え、茶道具以外の名品も蒐集していった。
本展の会期中、着物でご来場いただくと鑑賞料金がお得になる「着物割」を実施します!(一般200円引)
ぜひ、お気に入りのお着物で本展をお楽しみください。
【CM動画】畠山記念館名品展(開催中)
大分県立美術館以外でも下記店舗でも販売しております。
・iichiko総合文化センター1Fインフォメーション
・トキハ会館 3F プレイガイド
・ヱトウ南海堂
・大分市府内五番街商店街振興組合
・大分県職員消費生活協同組合
・大分合同新聞社本社・プレスセンター
・ローソンチケット(Lコード:83916)ローソン店舗の端末での発券操作となります。
・チケットぴあ(Pコード:686-493)セブンイレブン等店舗の端末での発券操作となります。
※前売り券の販売は2024年2月8日(金)までとなります。
茶葉と小イカのペペロンチーノ 1,350円(税込)
茶道具を中心とした畠山記念館のコレクションを公開する今回の展示に合わせて、
有機栽培の茶葉とやわらかい小イカを取り合わせたパスタです。
東京港区・白金台にある畠山記念館は、実業家畠山一清のコレクションを公開する私立美術館です。本展は九州の地で初めて、畠山記念館の所蔵品から国宝・重文を含む、約70件を厳選し、一堂にご紹介します。
1階ミュージアムショップでは本展覧会の図録を販売いたします。
ご鑑賞後もぜひお楽しみ下さい。
ショップでは現金書留による図録・関連書籍の通信販売も行っています。
詳しくは下記ショップまでお問合せください。
ミュージアムショップ「PortoPorta(ポルトポルタ)」
Tel:080-2742-9602
E-mail:portoporta@renkei-oita.co.jp
「畠山記念館名品展」関連イベント 講演会 I 演題「畠山即翁と「與衆愛玩」の想い ー茶の湯と琳派、名品蒐集にまつわるエトセトラ」 ※定員に達したため、申し込みを締め切りました。
「畠山記念館名品展」関連イベント 講演会 II 演題「へぇーそうなんだ講座 琳派ってなに?」 ※定員に達したため、申し込みを締め切りました。
「畠山記念館名品展」関連イベント 講演会 III 演題「畠山即翁と数寄者との交友 ―益田鈍翁、松永耳庵、小林逸翁を中心に―」※定員に達したため、申し込みを締め切りました。
「畠山記念館名品展」関連イベント スライド・トーク 演題「ここが面白い!古美術の楽しみ」
「畠山記念館名品展」関連イベント 「茶の湯と出会う」~大分西高茶道部茶会 in OPAM~