未完の表現の系譜とは何か? ライブ、写真、映像、前衛芸術の出会い
「出会いのミュージアム」をコンセプトとして開館し、一周年を迎える大分県立美術館は、この春「シアター・イン・ミュージアム」という新たな試みに挑みます。「シアター・イン・ミュージアム」の「シアター」は、一般的な「劇場」や「映画館」ではなく、「表現が立ち上がる場」を意味します。本展は、美術館にパフォーマンスが繰り広げられる「シアター」の要素を組み合わせることで、これまでの美術館のイメージを超えるスペクタクルな異空間を創り出すことを目的とします。ライブハウスの黎明期から岡山でライブハウス「ペパーランド」を主宰する傍ら、多岐にわたる表現活動を展開する能勢伊勢雄氏を監修者として迎えます。能勢氏の写真や映像作品の他に、当館所蔵の吉村益信の作品なども展示し、ライブ、写真、映像、前衛芸術など、異なるジャンルの表現が共存する空間を構成し、「出会い」の場を創出します。
[ライブ]
4/8 ドラ☆美保、Kyoka、4/9 I.S.O.(一楽儀光、Sachiko M、大友良英)、4/10『PEPPERLAND MUSICK SPECTACLE』(ATEOTO、imagenos、OLD FLAG、河原龍峰(マビキ団)、KETCH、ザ・ナッシングフェイスフロムコロンビア、THE NOUP、神闘歌、武田充貴、DJ.Zen、DJ.MAMO、村岡充(Test Pattern)、MOLMO PLUG、Rrose Selavy/Celine)、4/17 現代家族、多田正美、4/23 渡邊琢磨、4/24 JINMO、ザ・山崎春美、4/29 山内桂、4/30 伊東篤宏、5/1 Sky Shine:河端一 + liquidbiupil、5/3 山本精一、5/4 竹村延和、5/5 RUINS alone(吉田達也)、三上寛、5/7 灰野敬二、5/8 ..es(ドットエス)橋本孝之 & sara|曖昧の海(映像:稲垣元則 OBESAS 2014, 構成 林聡)…and Oita musicians
[演劇公演]
4/16 谷本進、蔣雯(ジャン・ウェン)
4月8日(金)出演:ドラ☆美保 photo by Yumika | 5月7日(土)出演:灰野敬二 Red Bull Music Academy Tokyo 2014 (Yusaku Aoki/Red Bull Content Pool) |
4月15日(金)14:00~15:30(13:30開場)
武田崇元+Phenomenaクロストーク『古神道に記憶されていた古代の原像』
Phenomenaの写真で検証された古代の原像を、古神道霊学を牽引してきた武田崇元と語る。
4月22日(金)17:00~19:30(16:30開場)
能勢伊勢雄レクチャー『西洋形態学から神道形態学に』
ゲーテ+シュタイナーの形態学を経て明かされる我国の神道形態学。
※同日の上映プログラム『共同性の地平を求めて 68/75 荻原勝ドキュメント』についての解説も含みます。
4月29日(金・祝)14:00~15:30(13:30開場)
シアター・イン・ミュージアム記念トークイベント
『松岡正剛インタースコア・トーク』
71年創刊の雑誌『遊』を軸に、生涯の交友を築いた松岡正剛と能勢伊勢雄。前半では松岡正剛が、能勢伊勢雄について、また本展について語り、後半では両氏がクロストークを展開。
※本イベントの事前申し込みは、4月28日(木)17:00をもって締め切らせていただきます。
5月1日(日)10:00~14:00
宇田川岳夫+尾崎伸行レクチャー『Night of the Fringe in OPAM』
極限まで多様化する文化のなかに霊的体験を見る現代のケイオス・マギックを語る。音源や映像を交えた「音楽史」への旅。
※本イベントは随時入退場可、事前申し込み不要です。
・トークイベントは無料ですが、作品展示観覧券の半券が必要です。参加ご希望の方は、info@opam.jpへ件名にイベント名、本文にお名前、ご連絡先電話番号をご記入の上お申し込みください。
・受付は先着順になります。応募者多数の場合は申し込みを締め切る場合がございます。
[出品作家]
能勢伊勢雄、銀塩写真家集団Phenomena(岡茂毅、片山貴文、木村匡孝、柴田聖子、能勢遊神、森美樹)、吉村益信、風倉匠、ヨシダミノル、大木裕之、小山英治
[デコレーター]
能勢聖紅、R type L(山田卓生、長田道夫)
ステージの周囲には国内外で活躍するデコレーターによる舞台装飾が施されます。ただし公演中、リハーサル中などご覧いただけない時間帯があります。
[映像作品]
能勢伊勢雄作品『FLUXUS FILMS 1969−2004』 29’22” 2004
「京都国際映画祭2015」に選出された、フルクサス表現としてのハプニングにパフォーマンス映像を加えたショートフィルム集。
①『ニューズリール・大阪ハプニング・ドキュメント』 6’03” 1969
②『ニューズリール・大衆貴族ハプニング』 2’59” 1971
③監督・舞台構成・演出・出演:ジャン・ピエール・テンシン+企画・撮影監督:能勢伊勢雄『GOD+ANALOGIA〜神とアナロギア』 20’20” 2004
大木裕之作品『松前君の赤いパブリックパンツ映画』 最新大分 mix 30’00”
場所と時間の断片映像がモンタージュされた「時代の無意識」を描き出す“松前”シリーズ作品の最新作。
飯村隆彦作品『リリパット王国舞踏会』 12’ 00” 1964
大分が誇るハプナーであり、前衛芸術家:風倉匠の貴重な映像。飯村隆彦初期作品。
4月22日(金)、5月6日(金)14:00~15:40
能勢伊勢雄監督作品『共同性の地平を求めて 68/75 荻原勝ドキュメント』 100’00” 1975
大学紛争(闘争)のさなかで、「人間にとって最後の救い」とは何かを描いたドキュメント映画。
4月15日(金)11:00~11:45、5月2日(月)14:00~14:45
小山英治映像作品
形態学をベースにした生成と変容のアブストラクト・シネマ。TOTAL 43’32”
①『AZAMI』7’49” 1981 ②『ANIMATION WORKS』8’47” 2002 ③『ブラックボードの解剖学』 16’29” 2012 ④『アブストラクト』 2’08” 2012 ⑤『金属畑でコンニチハ』 3’33” 2012 ⑥『CLAY INSTALLATION』 3’15” 2012
イベント開催時間、上記プログラム上映時間外
能勢聖紅デコレーション『TRIPLE-X 3rd.Anniversary Party』 28’00” 2006
音楽イベントに代表される各種会場を、新感覚で飾り付けるデコレーター:能勢聖紅のドキュメント。デコレーションの現場がわかる必見初公開映像。
◯監修:能勢伊勢雄(のせ・いせお)
1947年、岡山県倉敷市に生まれる。写真家、山﨑治雄に写真を習う。1974年から現在まで岡山市のライブハウスPEPPERLANDを主宰。松岡正剛が編集した『遊』に参加。阿木譲編集の『ロック・マガジン』では編集やライターを務めた。2004年、写真家、映像作家、美術展企画など多岐にわたる活動の全貌を紹介する展覧会「スペクタル能勢伊勢雄 1968-2004」が岡山・倉敷市連携文化事業として開催される。2008年、銀塩写真家集団「Phenomena」を設立。2010年美學校岡山校を開設。銀塩写真の指導にあたる。アート・ビオトープ那須で毎年開催される「山のシューレ」にてゲーテ色彩論・形態学、神道形態学などの講義を展開する。
写真集『能勢伊勢雄:形態学 ISEO NOSE : MORPHOLOGY』赤々舎刊
『新・音楽の解読』DU BOOKS刊
CD『高橋巖 HARMONIA』Rapid-Eye Musick Records
CD+BOOK 第63回(平成20年度)文化庁芸術祭参加選定作品JINMO『Ascension Spectacle』 Rapid-Eye Musick Records…他多数。
サウンド・ワークショップ シアター・イン・ミュージアム関連ワークショップ(日時、会場変更)
能勢伊勢雄「OPAM×能勢伊勢雄 シアター・イン・ミュージアム」ギャラリー・トーク