文字のサイズ
色変更
白
黒
青

展覧会

展覧会

印刷用ページ

OPAM開館10周年記念
LINKS―大分と、世界と。

大分県立美術館は2025年4月に開館10周年を迎えます。このたび当館のコンセプトである「出会いと五感のミュージアム」にちなみ、人と人、人と作品との「出会い」をテーマとした企画展を開催します。作家同士の交流や、作家と作品との「出会い」が生んだ近代以降の美術の軌跡を、名品や新発見資料とともにたどります。大分にはじまり、視点を日本さらには世界へと広げ、「出会い」が生んだいくつもの感性の「つながり」=“LINKS”をお楽しみください。 

共催 大分合同新聞社、TOSテレビ大分 
協賛 大分銀行、株式会社フォレストホールディングス、株式会社ダイプロ、平倉建設株式会社 
後援 大分県、大分県教育委員会、NPO 法人大分県芸振、西日本新聞社、朝日新聞社、読売新聞社、毎日新聞社、NHK大分放送局、エフエム大分、J:COM 大分ケーブルテレコム、大分経済新聞


チケット販売場所
大分県立美術館、iichiko総合文化センター1Fインフォメーション、大分合同新聞社本社・プレスセンター、TOSハウジングメッセ、トキハ会館 3F プレイガイド、ヱトウ南海堂、NPO法人大分県芸振、大分県職員消費生活協同組合、チケットぴあ(Pコード:687-157)、ローソンチケット(L84808)

本展について
パブロ・ピカソが監修した《ゲルニカ(タピスリ)》(後期5/23~6/22のみ展示)をハイライトに、
第一部(1階)を洋画、第二部(3階)を日本画に分け、約180点の作品をご覧いただきます。(作品の展示替えを含みます。)

第一部では、初期洋画からモダニズムの時代、戦後の前衛美術まで、変化とともにある美術のダイナミズムを、セザンヌ、モネ、ピカソ、黒田清輝、東郷青児、古賀春江、松本竣介、岡本太郎らの名品に、大分の洋画家佐藤敬吉村益信らの作品を通してご紹介します。
 
第二部では、大分が生んだ日本画の巨匠・福田平八郎と、日展三山の一人として戦後の日本画壇を牽引した髙山辰雄を中心に、土田麦僊、堂本印象、杉山寧、東山魁夷らの名品により伝統と革新をあわせ持つ日本画の魅力をご紹介します。


展覧会のみどころをいくつかご紹介します。

第1部 第1章

藤雅三《フランス風景》 1887年頃 東京国立博物館所蔵
Image:TNM Image Archives クロード・モネ《アンティーブ岬》1888年
愛媛県美術館所蔵
藤雅三《フランス風景》 1887年頃 東京国立博物館所蔵
Image:TNM Image Archives
クロード・モネ《アンティーブ岬》1888年
愛媛県美術館所蔵

----> 明治期以降、日本の画家たちは西洋に憧れ、その技術を学びます。黒田清輝ははじめ法律を学びにパリに赴きますが、大分県臼杵出身の画家・藤雅三が黒田に通訳を依頼したことをきっかけに、絵画に目覚めます。「近代洋画の父」と称される黒田を絵の世界へ導いた藤の存在は大きいといえるでしょう。本展では国内に1点のみ現存する藤の油彩画を展示します。

<---- 一方、西洋の画家も日本へ憧れを抱き、洋画に新たな視点を取り入れました。クロード・モネの《アンティーブ岬》は浮世絵収集家だったモネが描いた連作の一つです。手前に松の木を描き、遠景とのコントラストを引き出す手法は、北斎や広重らによる浮世絵を参考にしたものと考えられます。



第1部 第2章

佐藤敬《水災に就いて》1939年 大分市美術館所蔵 ​​​​猪熊弦一郎《夜》1937年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵
©The MIMOCA Foundation
佐藤敬《水災に就いて》1939年 大分市美術館所蔵 ​​​​猪熊弦一郎《夜》1937年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵
©The MIMOCA Foundation

----> 《ゲルニカ》は、スペイン内戦時のゲルニカ爆撃をテーマとする絵画作品で、現在スペインの国立ソフィア王妃芸術センターに所蔵されています。本展では生前のピカソが原画の普及を目的に3点のみ作ることを条件とした《ゲルニカ(タピスリ)》(5/23~6/22のみ展示)を展示します。

<---- ピカソが《ゲルニカ》を発表した1937年、日本では美術雑誌などでの紹介を通して、猪熊弦一郎佐藤敬といった画家が、その主題や構図を意識した作品を相次いで発表します。本展では佐藤と猪熊の大作をタピスリとともに展示することで、日本の美術界へのピカソの影響力を振り返ります。
本展ではこの他、ピカソの油彩2点陶器7点(いずれも通期)を展示します。


第2部 第3章

左から杉山寧《穹》、東山魁夷《冬華》、髙山辰雄《穹》(前期のみ)
いずれも1964年、東京国立近代美術館所蔵
左から杉山寧《穹》、東山魁夷《冬華》、髙山辰雄《穹》(前期のみ)
いずれも1964年、東京国立近代美術館所蔵

----> 日展は100年にわたり才能あふれる作家を世に送り出してきた総合美術展です。大分県からも数多くの美術家がここを舞台に活躍しました。髙山辰雄もその一人。ライバルのような存在であった東山魁夷杉山寧とともに戦後の日本画壇をリードし、一世を風靡しました。本展では、1964(昭和39)年の日展で話題となった、杉山と高山による同名の作品《穹》、東山の《冬華》を展示します。三点が揃うのは5月21日までとなります。


第1部 第3章

第3回ネオ・ダダ展 街頭パフォーマンス 1960年 撮影:石松健男
第3回ネオ・ダダ展 街頭パフォーマンス 1960年 撮影:石松健男

----> 大分市にかつてあったキムラヤ画材店。そこに集った若者たちが「新世紀群」という絵画グループを結成し、やがて東京に出て「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」のメンバーとなります。ネオ・ダダは戦後美術のターニングポイントとなった運動で、そのルーツは大分にあります。本展ではキムラヤや新世紀群に関連した資料を通して、ネオ・ダダが生まれた背景にせまります。

他にも今見るべき、日本の名品を多数ご紹介します!----------------------------------------------->

東郷青児《パラソルさせる女》1916年
SOMPO美術館(一般財団法人陽山美術館より寄託)©Sompo Museum of Art, 24026 岡本神草《拳の舞妓》 前期(~5/21)のみ
1922頃 星野画廊 
東郷青児《パラソルさせる女》1916年
SOMPO美術館(一般財団法人陽山美術館より寄託)©Sompo Museum of Art, 24026
岡本神草《拳の舞妓》 前期(~5/21)のみ
1922頃 星野画廊 
福田平八郎《雲》
1950年 大分県立美術館 松本竣介《立てる像》
1942年 神奈川県立美術館
福田平八郎《雲》
1950年 大分県立美術館
松本竣介《立てる像》
1942年 神奈川県立美術館

【出品作家名】
黒田清輝、久米桂一郎、ラファエル・コラン、藤雅三、吉田博、ポール・セザンヌ、クロード・モネ、片多徳郎、朝倉文夫、ヴァシリー・カンディンスキー、ウンベルト・ボッチョーニ、村山知義、パブロ・ピカソ、オシップ・ザッキン、佐藤敬、猪熊弦一郎、東郷青児、古賀春江、松本竣介、靉光、糸園和三郎、長谷川三郎、斎藤義重、吉原治良、田中敦子、岡本太郎、宇治山哲平、河原温、磯崎新、吉村益信、篠原有司男、赤瀬川原平、石松健男、ウィリアム・クライン、田能村直入、福田平八郎、土田麦僊、村上華岳、小野竹喬、榊原紫峰、堂本印象、徳岡神泉、岡本神草、田口壮、高山辰雄、東山魁夷、杉山寧、岩澤重夫、他多数

【作品借用先】
東京国立博物館、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、公益財団法人大原芸術財団 大原美術館、SOMPO美術館、ヨックモックミュージアム、東京都現代美術館、神奈川県立近代美術館、大阪中之島美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、愛媛県美術館、福岡市美術館、この他多数の公私立美術館、個人の皆さまにご協力いただいております。

「LINKS -大分と、世界と。」関連バスツアー

『由布院・神楽女湖のハナショウブ 大分県立美術館(OPAM)たっぷり3時間滞在』【博多 出発】<女性限定の旅>
★たっぷり3時間滞在!(自由昼食時間含む)
学芸員が見どころ紹介をし、各自展覧会を自由観賞します。
ピカソ、モネ、セザンヌ、東山魁夷などの作品を各自お楽しみください。

関連イベント