アトリウム・屋外展示作品
ユーラシアの庭
ユーラシアン・ガーデン・スピリット
マルセル・ワンダース ≪ユーラシアン・ガーデン・スピリット≫ 2015年 |
《ユーラシアン・ガーデン・スピリット》は、マルセル・ワンダースによる2015年に開館する大分県立美術館のために制作されたサイトスペシフィックなインスタレーション。
16世紀にオランダの商船が日本に初めて到着したという歴史的な物語にインスピレーションを受けた本作品は、オランダと日本の文化的なつながりと交流を象徴している。
重りが入った約4メートルのバルーンで構成されたインスタレーションは、風をうけ、おだやかに動き、それぞれのバルーンには花々のパターンで顔が描かれている。
《ユーラシアン・ガーデン・スピリット》は世界的に知られる17世紀、オランダ絵画を代表する静物画、ヴァニタスの現代的再解釈でもある。花が時の流れと自然のサイクルを思い起こさせると同時に、「死すべき運命」という主題が作品の顔に表現されている。
空気で膨らまされたバルーンは、この世に再び蘇った、原初の「旅人」が抱いた自由な精神と、世界に広がったオランダの思想、両方へのオマージュをはらんでいる。
空気と風は、生命の息吹やオランダの精神的本質である外に開かれた姿勢を喚起させると同時に、互いの文化に染み渡るような相互的な文化交流という植民地時代に対する新たな解釈のきっかけとなる。
(マルセル・ワンダース、2015年4月)
Courtesy of Marcel Wanders |
マルセル・ワンダース Marcel Wanders プロフィール
アムステルダムを拠点に世界的に活躍するプロダクト&インテリアデザイナー、アートディレクター。個人クライアントからAlessi、Bisazza、KOSÉ(コスメデコルテ)、KLM オランダ航空、Flos、Swarovski、PUMAなどのブランドでのデザインを手がけるなど、その数は1700件を超える。デザイナー、職人、ユーザーが再び密に関係する「デザインの新時代」を目指しながら、驚くべき発想力、大胆さ、並外れた探求心から生まれる、詩的かつ幻想的、ロマンチックな世界を表現する。