展覧会

オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO

遊ぶデザイン&暮らしのアート

20世紀、オランダのモダン・デザインは、社会的な影響力をもって世界中の人々に受け入れられてきました。中でもオランダ、ユトレヒトが生んだモダニズムを代表する建築家ヘリット・トーマス・リートフェルトと、「ミッフィー(うさこちゃん)」の生みの親として知られるディック・ブルーナ。そして、サナトリウムに療養する患者を指導し、玩具「ADO(アド)」を生み出したコー・フェルズー。彼らはその代表的デザイナーと言えるでしょう。本展では、オランダの歴史や風土に育まれた、偉大な三者による作品を通して、現代人の思想や生活スタイルに今なお大きな影響を与え続けるオランダ・モダン・デザインの精髄に迫ります。

○チケット(前売券・当日券)販売場所
大分県立美術館、iichiko総合文化センター 1F インフォメーション、トキハ会館 3F プレイガイド、中央町プレイガイド、ヱトウ南海堂、大分市府内五番街商店街振興組合、大分フォーラス 1F ACID GALLERY、大分県芸術文化振興会議、ローソンチケット(Lコード:83822)、チケットぴあ(Pコード:767-978)

大分県芸術文化振興会議の前売券販売期間は11月29日(火)までです。
※ローソンチケットおよびチケットぴあでのチケットは販売中です。
※その他前売券の販売開始時期は11月8日(火)開始です。

開催趣旨

ヘリット・リートフェルト(1888-1964)とディック・ブルーナ(1927-)はオランダの都市ユトレヒトが生んだ20世紀アート、デザインの巨人です。
家具職人から出発して世界的な建築家となったリートフェルトは、《レッド・ブルー・チェア》(1918-23頃)や《シュローダー邸》(1924、2000年に世界遺産登録)によって、純粋な色彩と幾何学的なフォルムによる今日的な造形を他に先駆けて示しました。ブルーナは、夥しい数のグラフィック・デザインと、とりわけ世界中で親しまれる「ミッフィー(うさこちゃん)」の絵本シリーズの作者としてあまりに有名ですが、そぎ落とされた造形要素によって、多様な物語を紡ぎだすその手法には、リートフェルトからの影響もうかがえます。2人の仕事は一見対照的に見えますが、ともにオランダの歴史や生活の風土に根ざしており、基本的な要素による純粋な表現や、それを通した人間的で豊かな生活へのまなざしを共有しているといってよいでしょう。
本展では、リートフェルトの影響をうけたコー・フェルズー(1901-71)の指導のもと、サナトリウムの患者らによって製作された本邦初紹介の玩具シリーズ「ADO(アド)」も交えて、オランダ・モダン・デザインの人間味溢れる魅力を紹介します。

総出品点数400点以上

1.リートフェルト作品約55点。 2.ブルーナ作品約270点。 3.ADO玩具約50点。

ヘリット・トーマス・リートフェルト
1.ヘリット・トーマス・リートフェルト 《レッド・ブルー・チェア》 1918-23年頃(制作1935年) 宇都宮美術館蔵 ©PICTORIGHT, Amsterdam & JASPAR, Tokyo, 2016 C1212 2.ヘリット・トーマス・リートフェルト 《シュローダー邸》 1951年 セントラル・ミュージアム・ユトレヒト蔵 Image & copyrights CMU/ Pictoright, Amsterdam © PICTORIGHT, Amsterdam & JASPAR, Tokyo, 2016 C1212
1.ヘリット・トーマス・リートフェルト 《レッド・ブルー・チェア》 1918-23年頃(制作1935年) 宇都宮美術館蔵 ©PICTORIGHT, Amsterdam & JASPAR, Tokyo, 2016 C1212 2.ヘリット・トーマス・リートフェルト 《シュローダー邸》 1951年 セントラル・ミュージアム・ユトレヒト蔵 Image & copyrights CMU/ Pictoright, Amsterdam © PICTORIGHT, Amsterdam & JASPAR, Tokyo, 2016 C1212

ヘリット・トーマス・リートフェルト(1888-1964)
オランダのユトレヒトに生まれたリートフェルトは、家具職人の父の下で伝統的な家具制作を学び、1917年に自身の工房を開きました。1919年には前衛芸術運動「デ・ステイル」に参加し、水平線、垂直線、三原色というもっとも基本的な物作りの要素を取り入れた家具や建築を探究しました。《レッド・ブルー・チェア》(1918-23頃)は、その斬新な構造で現在も多くのデザイナーに影響を与えています。2000年に世界遺産に登録された《シュローダー邸》には、そこに住まう家族のために暮らしやすい工夫が、質素で機能的ななかに込められています。

ディック・ブルーナ
3.ディック・ブルーナ 《『ゆきのひの うさこちゃん』》原画 1963年 セントラル・ミュージアム・ユトレヒト蔵
Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2016
www.miffy.com

All rights reserved. The information and images (photos and illustrations) on this page are protected under copyright law and may not be copied or used in any way without the written approval of Mercis bv. Miffy is a registered Trademark. 4.ディック・ブルーナ 《「ブラック・ベア」と一緒に家でのんびりしよう》ポスター 1963年 株式会社ディック・ブルーナ・ジャパン蔵
BLACK BEAR © copyright: Dick Bruna
3.ディック・ブルーナ 《『ゆきのひの うさこちゃん』》原画 1963年 セントラル・ミュージアム・ユトレヒト蔵
Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2016
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4.ディック・ブルーナ 《「ブラック・ベア」と一緒に家でのんびりしよう》ポスター 1963年 株式会社ディック・ブルーナ・ジャパン蔵
BLACK BEAR © copyright: Dick Bruna
5.ディック・ブルーナ 《「ブラック・ベア」を気持ちよく、だらだら、寝ころんで、読む》 ポスター 制作年不詳 サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
BLACK BEAR © copyright: Dick Bruna 6.ディック・ブルーナ 《カルネミルク、とてもスリムにしてくれるから》 ポスター 1971年 サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2016
www.miffy.com
5.ディック・ブルーナ 《「ブラック・ベア」を気持ちよく、だらだら、寝ころんで、読む》 ポスター 制作年不詳 サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
BLACK BEAR © copyright: Dick Bruna
6.ディック・ブルーナ 《カルネミルク、とてもスリムにしてくれるから》 ポスター 1971年 サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2016
www.miffy.com

ディック・ブルーナ(1927-  )
世界中で愛されている「ミッフィー(うさこちゃん)」を生んだブルーナは、オランダのユトレヒトに生まれ、子どもの頃から、絵を描くことに親しんでいました。家業である出版社を継ぐために出版の修業をしましたが、自ら描くことを選択し、本の表紙やポスターを制作するようになりました。1953年に初の絵本を出版し、その後、用いる色彩や判型を限定しました。ブルーナの作品は、シンプルな線や色彩のなかに、人間性に満ちた素直な素朴さが溢れていて、私たちを幸せで穏やかな気持ちにさせてくれます。

ADO&コー・フェルズー
7.コー・フェルズー、ADO 《化粧台、ベッドサイドキャビネット、寝台、テーブル、椅子》(ドールハウスのための家具) 1929年 CODAミュージアム蔵 Copyright CODA/Gerhard Witteveen 8.コー・フェルズー、ADO 《青果トラック》 1953年 CODAミュージアム蔵
Copyright CODA/Gerhard Witteveen
7.コー・フェルズー、ADO 《化粧台、ベッドサイドキャビネット、寝台、テーブル、椅子》(ドールハウスのための家具) 1929年 CODAミュージアム蔵 Copyright CODA/Gerhard Witteveen 8.コー・フェルズー、ADO 《青果トラック》 1953年 CODAミュージアム蔵
Copyright CODA/Gerhard Witteveen
9.コー・フェルズー、ADO 《ジャンピング・ジャック(操り人形)》 1925年頃 CODAミュージアム蔵 Copyright CODA/Gerhard Witteveen 10.コー・フェルズー、ADO 《積み木バッグ》 1953年 CODAミュージアム蔵 Copyright CODA/Gerhard Witteveen
9.コー・フェルズー、ADO 《ジャンピング・ジャック(操り人形)》 1925年頃 CODAミュージアム蔵 Copyright CODA/Gerhard Witteveen 10.コー・フェルズー、ADO 《積み木バッグ》 1953年 CODAミュージアム蔵 Copyright CODA/Gerhard Witteveen

ADO(アド)玩具とコー・フェルズー(1901-1971)
ADO玩具は、1920年代から2006年までオランダで作られていた木製玩具で、Arbeid door Onvolwaardigen(オランダ語で「障がい者による仕事」)の頭文字をとったものです。この玩具はサナトリウムで肺結核の回復期にある患者のための作業療法として始められ、1925年以降はデザイナーのコー・フェルズーの指導のもと製作されました。フェルズーの考案した玩具には、リートフェルトのデザインの影響をみることができます。フェルズーは、玩具は実物のたんなるミニチュアではなく、単純でわかりやすい形でありながら、その物の本質を表すべきだと考えました。オランダでは、親から子へそして孫へと引き継がれ、世代を超えて愛されています。

共 催:大分合同新聞社
後 援:オランダ王国大使館、大分県、大分県教育委員会、大分県芸術文化振興会議、西日本新聞社、NHK大分放送局、OBS大分放送、TOSテレビ大分、OAB大分朝日放送、エフエム大分、OCT大分ケーブルテレコム
企画協力:セントラル・ミュージアム・ユトレヒト
特別協力:CODA ミュージアム、大阪新美術館建設準備室、KLMオランダ航空
協 力:株式会社ディック・ブルーナ・ジャパン、Mercis bv、株式会社福音館書店、グリーンポイント株式会社、全日本空輸株式会社
助 成:一般財団法人地域創造

「オランダのモダン・デザイン」展CM

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